時として、ブログのネタを探すのは難しいです。また逆に書くことが多すぎて追いつかないこともあります。 その「逆の状況」が今です。10月28日に日本データセンター協会の依頼で米国データセンターの現状について話をしました。そのミーティングで6社のサーバーベンダーの発表もありました。その中でNECが一番「売らんかな」のメッセージが少なく次世代サーバーに関しての話をしていたのでここで取り上げたいと思います。
筆者が見るところ、データセンターの電力不足の問題は我々は本当の問題を解決しようとせず、症状を和らげようとしているだけの様です。つまり冷却の問題です。誰のデータを信ずるかによって変わりますが、冷却に必要な電力はデータセンターの総電力消費の30–60% に達します。冷却の効率化を計れば、電力消費は大きく減少します。そして、PUEが限りなく1.0に近づくでしょう。この方向で、筆者はサーバのようなIT機器の稼動可能の範囲を拡大できるのか興味があります。はっきり言えば、もしサーバーに冷却が必要ないのであれば、全く冷却する必要がありません。本永実氏(NECのプラットフォーム・グループマネージャ)がExpress 5800シリーズに関する発表をしました。製品の詳細には触れませんがその設計哲学に触れます。このシリーズのなかでEco Center series.に関して話されました。
NECの本永実氏
氏はサーバーの設計哲学を発表された。そのハイライトをここに示します。
1. Atom プロセッサと電源の共有:
- この2つを組み合わせることで電力消費を70%も節減。電源を複数のサーバーで共有すうることで電源の使用率を50%程度に保つことができます。50%の使用率が一番交流―直流変換のロスが一番小さいとか。
- 40 40°Cで問題なく動作。IntelはCPUは35 °Cまでの動作を保障しています。
2. スペースの削減
- Can accommodate up to 240 servers under 6kVAで240サーバーまでサポート.
- 240サーバーで630kg/m2を達成.
3. 設計のノウハウ
· 気流制御
- HDDは高熱に弱いです。高熱を発するCPUはチャシーの後ろ側に置かれHDDは前方に置かれていて、熱の影響を受けません。
- ケーブルのキットも開発されておりチャシーのなかで気流の流れが妨げられるのを防ぎます。
他のサーバベンダーもAtomプロセッサを使用しています。しかし、全体としえサーバーのエネルギー効率化を図るにはいくつもの解を集めて適用しなければならない様です。解のあるものは新しく画期的なものですがその他のものはサーバーを長年開発販売することで培われたものです。筆者はNECを始め多くのサーバーベンダーがサーバーを高温での動作を可能にすることを望みます。日本は夏は高温多湿で冬は温度が低く湿度も低いです。本永氏に外気による冷却に関する湿度の問題を聞きました。この問題は結露が一番大きい問題とのことでした。なかなか困難な問題ですが、今後ともこの問題に取り組んで行くそうです。小さくて軽くエネルギー効率く広範囲の温度と湿度で作動できる高いサーバーが将来のデータセンターのサーバーでしょう。
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