2009年7月31日金曜日

SVLGのデータセンターエネルギー効率化コンファレンス



























シリコンバレー・リーダーシップグループ(SVLG)のデータセンターエネルギー効率化コンファレンスのポストに関してあまりにも、情報が足らないというご指摘を受けて少し加筆します。

こんコンファレンスは1997年に米国議会の要請を受けてEPA(米国環境庁)がデータセンターでのエネルギー消費の過去、現在、将来に関するデータを発表しました。この発表はサーバーの出荷量、それぞれのサーバーのタイプ毎の電力消費量を元に概算したものです。それによれば、2001年から2006年の間に電力消費量が2倍になりました。5つのシナリオが考慮されましたが、最初の3つ、そのまま、現状、改良型、では電力の消費が増長します。このまま何もしないと、2011年には2006年の更に2倍になりそうで、それを補うためには新たに10の発電所が必要となります。最後の2つのシナリオ、ベストプラクティス、最先端技術、であれば、今後のエネルギー消費を抑えることだできます。

この発表を受け、SVLGはその参加会社と共にこの結果の実証実験を行い、最初のコンファレンスを昨年を行いました。このコンファレンスが、他と違うのは:
  • EPAの理論的結果を元に、実証する
  • SVLGはNPOであり、参加社、その他の協力会社全てがボランティアで参加
  • 結果は他社による精査を受け、各社のプロモーションの場にならないように、本当の結果を発表する。
このコンファレンスは、データセンターの専門家が集い、議論や発表を行います。是非ご参加ください。10月15日にシリコンバレーでお会いしましょう。

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エネルギー・電力を貯蔵する

















電気は一旦作るとすぐ消費しなければならないので、需要の情報がないと多い目に製造してしまい、無駄が多いというのが定番ですが、電力を貯蔵するを効率良く貯蔵できたらと誰しも思います。現在再生可能のエネルギーのなかで、期待が持てるのは風力と太陽請光です。この2つに共通するのは、常時電力発電が可能ではないということです。そうなると、再生可能エネルギーを開発して使用するためには、電力貯蔵の技術を開発することが至上命令となります。

この題目は現在読んでいる長いSmart gridのレポートにも書いてあります。米国では最近南カリフォルニアでこれに関するコンファレンスがあったくらいです。また、5月末に採択された法案では、エネルギー・電力貯蔵の開発に関する税的特典を与えています。これは、米国がエネルギー・電力貯蔵なくしては、smart gridの1つの目玉である再生可能エネルギー開発が出来ないと読んでいるからでしょう。

ソーラーに関しては以前のも述べました。 近いうちに、風力発電とまた、再生可能エネルギーとデータセンターに関して述べます。

写真はシリコンバレー冷夏のため絶滅寸前の家庭菜園です。写っているのは茄子。残りのトマト、胡瓜、トウモロコシ、ピーマン、かぼちゃは軒並みに枕を揃えて討ち死にの感じです。私はその周りをおろおろしながら、歩くだけです。

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2009年7月29日水曜日

Cloud computingはエコか

Cloud computingの利点は色々と議論されていますが、エコのポイントからはあまり語られていません。他の利点は既に皆さんご存知なので、ここでは触れません。ここでNetSuiteというSaaSの会社は定量的なデータを発表しました。ただ1社毎の話ではなく、何社かをまとめてNetSuiteのサービスを使う前と後をべると後は 595 MkWhの節約となったと発表しています。全部で何社がこの中に含まれているか分かれば、平均でどのくらいの削減になるのか分かるのですが。

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第二回シリコンバレー・リーダシップ・グループ主催のデータセンター・エネルギー・サミット
























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待ちに待った第二回シリコンバレー・リーダシップ・グループ主催のデータセンター・エネルギー・サミットの詳細が発表になりました。詳細は:

日にち 2009年10月15日

場所:  Netapp社、ビルディング8、1375 Crossman Av, Sunnyvale, CA 94089

スケジュール: 8am 朝食/ネットワーキング

         8:30am - 5pm プログラム

         5 - 7pm レセプション


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2009年7月27日月曜日

CSRware社訪問記



SFのCSRware社を訪問してきました。サステイナビリティ、温室ガス排出とITを結びつける会社だということで、一体なんだろうと思ってCEOのKaren Alonardo氏に聞きました。訪問以前はデータセンター内の機器の電力消費をモニターして計測する会社のSynapsenseやSentillaなどとどこが違うのか、CSRware社はソフト会社で、センサーを展開するというよりも、集めたデータを解析する会社と言えるでしょう。そうするとOSISoftとはどう違うんでしょうか?

協業しているAltaTerra社活動範囲として
  1. コマーシャル太陽光発電とグリーンな電力
  2. ビルディングのエネルギー管理
  3. 製品のイノベーションと新しいマーケット
  4. 企業のサステイナビリティの戦略
  5. 企業の温室ガス排出管理
  6. ITとデータセンタのエネルギー効率化
ちなみに温室ガス排出制御の分野は:
  1. 排出権などの金融関係
  2. 排出量の測定と制御などのオペレーション
  3. サプライチェーンの管理
に分類されることが多いですが(詳細はこのレポートを参照)してください。CSRwareは実際のオペラーションに絡む#2です。

上の6つの分野の活動範囲と関連して、Alonardo氏は#4が最終目的で、それを支えるのが#5で更にその一部を支えるのが#6です。つまり、モニター・計測の他社は#6で止まっており、CSRwareは更に#5や#4まで進むというものです。集めるデータは電力消費の他、温室ガスの排出、水やe-wasteのデータも集めます。SynapsenseやSentillaはセンサーを駆使して電力消費や温度や湿度を測定するもので、これはこれで有益な製品です。OSISoftはセンサーを有せず、他のセンサーから集めた情報をまとめて表示するもので、これも電力や温度や湿度のみです。この分野に特化しています。

こうやってみてくると、CSRwareはユニークなポジションにいると言えるでしょう。

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新たな投稿場所


英語版の話ですが、Altaterra社のブログサイトから1週間に一度だけNethawk社のブログサイトに転載されます。日本語しか読まない方はあまり関係ないのですが。現在2つ転載されいます。

ここここ


ちなみにAltaTerra社の日本語サイトにはこの日本語ブログと同じものが掲載されています。

写真はSanta ClaraでもWiFiの無料サービスを提供していたMetroFIが残したAPをSanta Clara市はSmart meterのデータを集約するために利用されつつあります。

2009年7月24日金曜日

温室ガス排出節減のパネル




































DCDの最後のパネルは温室ガス排出節減のパネルでした。

  • Dan Geiger, U.S. Green Building Council—Northern California Chapter (USGBC-NCC) - モデレーター (最初の写真)
  • Mark Bramfitt, PG&E (2番目の写真の一番左)
  • Zahl Limbuwala, British Computer Society (2番目の写真の真ん中)
  • Bruce Myatt, Critical Facility Roundtable (2番目の写真の一番右)
Geiger氏はLEEDについて語り、現在データセンター用のLEEDが検討されており2011年に発表されると語りました。Limbuwala氏の発表関しては、以前のブログで述べました。ここで留意するのは、EU版の「温室ガス排出制限とトレード」法が既に施行されており、来年4月の「温室ガス排出制限誓約」法は更に厳しいもので、英国に限られたものだと強調しました。

Bramfitt氏とは他のコンファレンスで同じパネルに座ったこともありますが、一連の「温室ガス排出制限とトレード」や「温室ガス排出制限誓約に関しては、既に努力している電力・ガス会社に対してフェアーでないと発言していました。

一連の温室ガス排出制限の話しは米国ではまだこれからどうなるか分かりません。しかし、英国でもビジネスを展開している企業にとっては待ったなしです。日本の方にも目を向けます。

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将来のデータセンターの試練(水不足で、暗くて、熱い)?
























写真は左から、Christian Belady (MS), Geoffrey Noer (SGI), John Weale (Rumsey Engineers )とHerb VillaSwitch and Data)

ここで、少し温室ガス排出基準の話はおいて置いて、将来のデータセンターが直面する問題を議論するパネルがありました。

簡単なまとめは以下です。
  • 水は今後少なくなるリソースとして理解されています。水冷のデータセンターが多い中、水不足が問題になってきます。MSのChristian Belady氏はMSはairside economizer(外気による自然冷却)により水冷の新築のデータセンターを5年以内になくすと話ました。
  • 最近データコムの装置の温度や湿度の許容範囲を設定するASHRAEは、許容範囲を増加しました。これにより、データセンター内の温度を上げたり、湿度をあまり気にしなくなりました。つまり、これで外気による自然冷却が可能になってきます。
  • SGI(SGIを買収したRackableは名前をSGIに)のNoerはサーバーのコンポーネント毎に許容温度が違います。特にハード・ドライブはせいぜい45度までしか持ちません。これに対して、Belady氏はなぜベンダーが仕様を決定するのか、ユーザーが決めれば良い。50度以上で作動するサーバーを作れば良いと。ハード・ドラブが問題なら、ハード・ドライブを直接に冷却すれば良いと。これに対しては聴衆は、そんなことをしたら、製造コストが上がり、サーバーの値段が上がると。Belady氏はこれに対しては、サーバーのコスト上昇で何十万円余計に掛かったとしても、冷却費に何百万円も節約できることを上げました。これは正に、発想の展開です。
  • 電力消費削減はやはり仮想化です。モデレーターのCiscoのSteve Andreano氏はCiscoのデータセンターでサーバーの仮想化を行い電力消費を半分にしたと報じました。
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2009年7月23日木曜日

温室ガス排出節減とデータセンター(最近のコンファレンスから)






































































写真上から、英国での「温室ガス排出規制誓約」(以後CRCと記述)のセッション、スピーカーのZahl Limbuwala氏、英国コンピュータ・ソサイティーのデータセンター用のエネルギー・シミュレーター、Victor Steffen氏、Vali Sorell氏、温室ガス排出とデータセンターのそれぞれのフェーズ

先週のデータセンターでは「温室ガス排出規制誓約法」の施行やそのデータセンターへの影響につて4つのセッションがありました。最初の2つについて述べます。

最初は英国コンピュータ・ソサイティーのチェアーマンのZahl Limbuwala氏がCRCの概略と問題点を話ました。以下簡単なまとめです:
  • 2008年の電力消費を原点とし、毎年これに対して増加したか、減少をしたかで課税する。
  • 電気・ガスのメーターや子会社の情報を元にする。ただし、交通に関するものは含まない。
  • 6000MWh以上消費する会社を業種など一切無視して、一番多いものから一番少ないものを順番に並べて発表する。
問題点は:
  • CRCはサプライ側と消費側の間にあってどちらにも課税。どちらか一方にすべきだ。
  • 例えば、データセンターをコロケーションにアウトソースすると、電力消費はコローケーションに押し付けることができる。
  • CRCは英国の国内のみに適用され、海外にアウトソースするとカウントされない。
  • ITを使用すると、例えば出張を削減できる。しかし、それと関係なくITにも課税される。
最後にデーターセンターのエネルギーの消費のシミュレーターを紹介した。米国のエネルギー省はDC Proと言う無料のソフトウエアもあります。

2つ目は、データセンターのライフ・サイクルと温室ガス排出の割合を示し、いかに電力を削減するかという話でした。

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2009年7月22日水曜日

英語版のブログ発表サイトの追加


tek-tips.nethawk.net/にも英語版が掲載され始めました。120万の読者がいるようです。今日の版は
http://bit.ly/qmM6N です。

写真はセミナーの昼休みに外に出て、その辺りをうろうろとしたときのものです。こんなに近くに住んでいるのに、外から人が来た時でもないと来ませんからね。クリックで拡大。

最近のデーターセンターの傾向

































































写真は上から、digital のセミナー、DCDのコンファレンス、Energy Logicの発表、EPAの発表です。

先週digital realty trustのセミナーとdatacenter dynamicsのコンファレンスに行ってきました。それぞれの項目に関してはまた詳細に述べますが、まずは項目。
  • 温室ガス排出規制とデータセンター
  • メトリック
  • 可変モーターによる冷却
  • 機器に対する新しい温度と湿度の許容範囲
  • 気流管理と外気による冷却
  • 冷却機器の連携
  • 米国環境庁の動き
温室ガス排出規制とデータセンター:今まで、この問題は経費節減の影に隠れていましたが、例年4月に英国が強烈な温室ガス規制の法律が施行されます。英国の企業だけでなく、英国で企業活動および、政府・教育関係まですべてに渡って適用されます。米国ではまだそこまで行っていませんが、これが今後の温室ガス排出に対する規制法に影響すると見ています。

メトリック: PUEに代わるものはまだなく、しかし、PUEの問題点は幾つも指摘されており、低いPUEが必ずしも効率の良いデータセンターでない例やその反対もあると指摘されています。本来はデータセンター内でワット辺りどれだけ有益なアウトプットが出せるかということになります。これはDCeP (データセンターエネルギー有効指標)。しかし、これを実際に定義するのは困難で、直接測るのではなくそれに近いものを測るということで、現在グリーングリッドに8つのものが定義されています。その1つはemerson 社のEnergy Logicです。

可変モーター: 全体の温度や湿度を考慮すると、必ずしもモーターを100%稼動する必要はありません。消費エネルギーと稼働率は3乗に反比例します。つまり、100%から50%に落とすと(1/2にすると)、消費エネルギーは1/8になります。

機器に対する新しい温度と湿度の許容範囲: ASHRAEという組織はデータコムの稼動温度や湿度も指定しますが、最近この規定を緩めたので、温度・湿度の上下幅が広がりました。これを実行するとデータセンター内の温度を上げて、エネルギー削減に繋がります。また更なる外気の利用にも道を開きます。

気流管理と外気による冷却: 冷気・暖気通路やその閉じ込めはもうほとんどどこのデータセンターでも行なわれているでしょう。外気の利用は上の規定緩和で、シリコンバレーでは、以前は外気利用が年間60%だったのが80%に拡大できるそうです。

冷却機器の連携: これを行なうことで、同じフロアーで1つの冷却機器が除湿をしているときに他の機器が加湿するようなことがなくなります。これを拡張すると冷却機器とIT機器を連携させることもできます。

米国環境庁の動き: 5月にサーバーに対するEnergy Starの仕様が発行され、その後ストレッジへの仕様も検討されています。更に、データセンター全体へのEnergy Starのレーティングも来年辺りに発表の予定です。

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2009年7月21日火曜日

温室ガス排出節減とIT













今回のdatacenterdynamicsのコンファレンスは「温室ガス排出節減とIT」が大きな主題でした。昨年日本でこれが経費削減よりも大きな話だったので、コンファレンスで「違和感がある。」と発言して顰蹙を買いました。現在米国でこの動きが大きくなってきて、日本の方が進んでいたと感じています。もっとも米国の興味は英国で来年4月から実施される「温室ガス削減誓約」はかなり厳しい法律です。英国はEUのなかでも一番厳しいものです。これは全世界で英国だけです。

英国で活動する会社であれば、日本でも米国企業でも関係なく適用されるからです。データセンターの運営者はもろに影響を受けます。これは直接温室ガスを排出しない消費者にも適用されます。米国版は直接温室ガスを排出しない消費者には直接は適応されません。現在米国下院は「温室ガス削減とトレード」法案が通っていますが、上院は夏休みに入っており秋以降に自前の法案を検討する予定です。ビジネス業界や共和党からはかなりの反対が予想されます。

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2009年7月20日月曜日

SFで旅行者











SFは仕事では度々出かけますが、fisherman's whalfまでは中々行きません。これはデータセンターとはなんの関係もない写真です。

2009年7月17日金曜日

keizai societyの集まりでの、Yoriko Kishimoto氏の発表


















Yoriko Kishimoto氏

Keizai Society Special Networking “Recession and Recovery: Where are we now?」の2人目のスピーカーはYoriko Kishimoto氏。私は岸本、親戚ではありません。現在Palo Alto氏の市会議員で、前の市長です。日本生まれで小学生の頃に移住して現在に至ります。市長としていろいろと環境に配慮した政策を実行しました。
  • 再生可能エネルギーの利用。目標は20%でしたが、現在は17%を達成
  • 歩けるコミュニティの成立。カリフォルニアの人は車が好きですが、子供の頃から、歩いたり自転車で登校させることで、車をあまり利用しない次世代を育成。
  • 交通にも興味があり、できるだけ環境にやさしい交通網の作成
  • 今後は水が大切になる。
政治家として、環境問題に造詣が深いことに関心しました。

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keizai societyの集まりでの、ソーラー発電が2050年を助ける






























上から、一番左がTony Seba氏、次にSeba氏の発行予定の本


「Green Technology and Collaborative Business Opportunities」と銘打ってKeizai Societyさんがイ

ベントを開かれました。2回に分けて紹介します。最初はTony Seba氏によるソーラー発電の話。2050年には米国の電力需要は30TWhとなり、現在は14TWhしか発電できません。今後どうやって16TWhを確保するかというと、結論としてはソーラーしかないということで。


ソーラーに関する間違った印象は4つばかり。
  1. まだ発展途上でR&Dがいる:これは誤り。既に実用化されている。
  2. ソーラーと言えば屋根の上のパネル:これでは、スケールせずで、大きなユーティリティの規模で発電されている。
  3. ソーラーは高すぎる:現在の通常の電力と比較しても決して高くない。
  4. 日が照っているときしか使えない: 電力貯蔵の技術が発展してきて、最大15時間分を貯蔵できる。
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2009年7月15日水曜日

今週の予定

今週の予定は一言でいうと、ミーティングとセミナーとコンファレンスです。昨日はkeizai societyの集まりで日本との関連で、スピーカーの1人は前のPalo Altoの市長のYoriko Kishimoto市です。なかなか面白い経歴の方で、市長として市会議員としてPalo Altoの市内をクリーンエネルギーの方向に持って行く努力をなさいました。来年は州の議員に出馬の予定です。経歴はここです。

その他明日はDigital Realty Trustのセミナーです。Emerson社と組んで冷却の話をサンフランシスコで開催します。電車で行こうと思うので最寄の駅6時発です。

そして、金曜はdatacenterdynamicsのコンファレンスです。

また、報告します。

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イギリスの温室ガス削減義務
















米国では今年6月25日に「温室ガス制限とトレード」法が下院を通過しました。法案が成立するには、上・下院のどちらも通過しなければなりません。法案は上院に送られましたが、下院と同様民主党が多数を占めますが、簡単な審議の後通過とはならないようです。上院は上院のバージョンを審議するようで、今年のうちに成立するかどうかは分かりません。

これに先立ち、イギリスでは既にイギリス版「温室ガス制限とトレード」法(CRC)が通過しており、来年4月から施行されます。これはイギリスの問題だけだと言うのは簡単ですが、この法案はイギリスでビジネスを展開する全ての会社に適用されます。イギリスでデータセンターの運用をするdigital realtyなどに取ってはこれはかなりの問題です。要は、温室ガス排出の上限を決めておき、それ以上は金で排出権を買うという話ですが、一番大切なことは排出量の報告です。報告義務を怠ると重役が逮捕されるかもしれないということで、大きな問題です。日本の会社もイギリスでビジネスを展開する場合も適用されます。

地球温暖化の元凶が温室ガスだということは、まだ少数意見ながら異論もありますが、ビジネスを展開しているのであれば、この法案を無視できません。もはや、グリーンITやグリーン・データセンターは「エネルギー削減でポケットにグリーン(紙幣)を溜め込みましょう。」から「温室ガスの排出を削減しましょう。」に変わりつつあります。このような罰則規定を決めて押さえ込むのは良くないという意見もありますが、現実は現実です。

イギリスのCRCに関しては将来のブログで触れたいと思います。

写真は全く関係ありませんが、我が家の前の木に取り付けられた虫取り器。カリフォルニアで農作物に害をなす昆虫の採集で、実際の影響を調べるためにあちこちに取り付けられます。どういうわけか我が家の前が定番のようです。クリックすると拡大。

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2009年7月13日月曜日

EMCがデータセンター管理ツールの市場に参入

EMCがデータセンター管理ツールの市場に参入というニュースです。EMCといえばNetappとData Domainを取り合ってNetappによる買収をひっくり返して取得しましたね。この分野はネットワーク・システム管理ツール分野と呼ばれて、CA, HP, IBM, BMCの4大メーカーがコントロールしています。EMCの新しい製品はIonixと呼ばれますが、1つ抜けてます。それは計測とモニターリングです。

最近はデータセンターの温度・湿度や電力消費を計測してデータセンターのエネルギー効率を上昇させるのに役立てます。Open View(HP)やTivoli(IBM)は少しこの機能を追加し始めています。

既に、4大メーカーがコントロールしている分野に参入するのはいかにEMCでも困難ではないでしょうか。他にない差別化が必要でしょう。例えば、この計測やモニタリングや仮想化(VMwareは子会社)を展開するとか。まだ始まったばかりで、勝負はこれからですが。

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2009年7月10日金曜日

Netbookのようなデスクトップはできないか?

















と思っているわけです。外を回っているとメールとウエブしかいりません。でも日本の携帯はこれができので、netbookはどうなんでしょうか?netbookでskypeができるので、電話機能は問題ないかも知れませんが、これはネットに接続できるとしての話。携帯ならほとんどどこでもOK.

では、団塊の世代向けのnetbookのようなデスクトップなら新たな市場が開拓できると思うんですが。こちらではHPあたりがメールと印刷機能のあるnetbookもどきを家庭用に販売してますが、あまり浸透していません。80歳台の母親との通信のためPCを設定してきてありますが、いかんせんPCは技術が好きでないと難し過ぎます。TVやラジオの積もりなんで、ちょっとおかしくなるとどうにもなりません。電話でのサポートは全く無駄です。で、以下のデスクトップを開発すれば絶対に売れます。

  • netbookのようなデスクトップ。必要最低限のアプリだけ。(余計なものは混乱のもと)
  • 絶対的に、plug and play (これは本当の意味で)
  • どでかいLEDのディスプレー (フォントサイズは14以上、36がお勧め)
そして最後に成功の絶対条件は、「辛抱強い、サポート」。これに尽きます。

写真は近所のアジサイ。雨も降らないのに、咲いています。クリックで拡大。


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VMを複数のデータセンター間を移動させると?

















現在までVMを複数のデータセンター間を移動させる話がありましたが、実現までにかなりかかるのではないかと言われてきました。しかし、同じデータセンターの中で出来ることが複数のデータセンター間で出来ない理由は大きく分けて2つあると思います。
  1. 通信の速度が遅い(10Gも当たり前になってきているデータセンター内に比較して100Mも行かないデータセンター間)
  2. データの問題。サーバーだけ移動しても、データが伴わないとだめ。ストレッジの移動もサーバーの移動とシンクして起こらないと。
#1の問題はかなり解決されてきており、後は#2の問題とか。。。。VMwareとCiscoはこのデモをやりました。距離は80kmまで出来るようです。

ところで、これができると何がすごいのか。
  1. 負荷分散(複数のデータセンターで負荷を分散させる)
  2. データセンター保守のため、サーバーを落とすとき、他のデータセンターにVMを移動させて稼動できる
  3. 災害被害の際、電力(UPS)やネットの接続がある限り移動可能で、続いて運用。ちなみにサンフランシスコから州都のサクラメント(シュワルツネガー知事のいるところ)までの距離は約140kmなんで、まだもう一つ届かない。
その他に
  1. 時差を利用して、VMを移動する。機能(VM)を就業時間が終わった時間ゾーンから就業時間中のゾーンに移動することで、ユーザーに近くなりアクセスが良くなる。移動した後のデータセンターはサーバーを落としで冷却も落とせる。
  2. スマート・グリッドでその時間の電力費が詳細に分かれば、VMをそれに応じて適当な他のデータセンターにダイナミックに移動して電力節約を最大限に生かせる。
素晴らしい技術ですが、1つ忘れていけないのはVMを動かせば動かすだけ、問題が起こる可能性が大きいということです。これはどんなに、技術が安定してもリスクはゼロにはなりません。

写真は全く中身と関係ありません。私の趣味です。長年ここに住んでますが、木に青い(紫)の花が咲くというのは何時まで経っても慣れません。写真をクリックすると大きくなります。カメラがHD仕様になったので、ファイルが大きくてアップロードが大変。これってグリーンを言っている私の趣旨とは相容れない?

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2009年7月9日木曜日

URLを短くするサービスとエネルギー効率

私は毎日tinyurlやbit.lyを使って自分のブログをtwitterで配信してますが、当然真ん中に挟まったプレーヤーは余計なプロセスをしますね。もちろん、真ん中に入ることで、様々なウエブのURLを捉えることができ、その情報は非常に価値があります。

しかし、一方向ハッシュで短くしているのであれば、その対応表をデータベースに格納しておかねばならず、最近の傾向としてはスパムが数多く含まれることを考えれば、莫大な量のゴミの情報も格納しなければなりませんね。もし、サイトがスパムやフィッシングサイトであれば、それも弾く必要があります。実際にどのくらいの悪意のあるサイトに導くポストがあるのか分かりませんが、tinyurlやbit.lyはかなりのストレッジを使用していることは確かでしょう。

だからと言ってエコでないから辞めとけとはいえないでしょう。利便さとエコの問題に到達しますね。この問題に簡単な解決方はないでしょうが、常にこう言った問題意識を持っているのは大事だと思います。

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2009年7月8日水曜日

どれだけの会社がアマゾンのEC2を使っているか?

「どれだけの会社がアマゾンのEC2を使っているか」という話ですが、傾向としては中小企業やスタートアップから始まったクラウドコンピューティングの使用がどのくらいの企業に使用されているかというデータは一部発表したという話です。

50万のウエブサイトのうち 1,422で0.28%でした。でも全体で2億以上のサイトがあるので、必ずしもこのパーセントは正しくないかも知れません。クラウドコンピューティングの問題は多分に:
1.標準とインターオペラビリティ
2.セキュリティ

です。 SaaS, PaaSとIaaSのなかで、EC2はIaasですから、ハードの調達がいらないということです。今までamazonが宣伝している大手のユーザーは製薬会社の大手のEli Lilyを含みます。
実際の使用はまだこれからでしょう。


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2009年7月6日月曜日

Firefox 3.5出荷。 エネルギー効率は?

新しいソフトが出ると、性能と機能が大きく取り上げられます。firefox3.5もその例外ではありません。確かに速くなりました。しかし、速度にはすぐ慣れるのでもうあまり速く感じれません。速くなるということは大体メモリーをたくさん使わなくて実行されることだと思います。ということは、実行に対してあまり電力を使わないと言えるでしょう。今green gridが中心になってワット辺りの「有効な結果」をベースにIT機器のエネルギー効率を考えてます。でも、これは多分にハードを中心にした考え方で、もっとソフトに関して考えるべきでしょう。

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2009年7月3日金曜日

エネルギー効率の高いサーバーに買い替え?

Energy Starのサーバー用の仕様が5月に出ましたが、果たしてこの仕様に沿ったサーバーに買い換えるのはどうなんでしょうか。サーバーの売り上げは全世界で12-25%減少しています。

理由は:
1.仮想化
2.cloud computing
3. 経済

まあ、これ自身は驚くほどのことではありませんね。仮想化に関してはサーバー統合によるサーバーの数の減少は明らかです。でも、絶対に必要となるのはメモリーでバーチャル・マシンの数だけ既存のメモリーを増加しなければなりません。場合によってはCPUに力が足りないので、ハードを取り替える必要もあるかも知れません。 cloud computingが進んでくれば自前のハードはいりませんので。最後の経済これは当然でしょう。買い換えれば、エネルギー効率が上がるのが分かっていても、この経済状況、予算が付かないと買い替えも夢です。

米国は明日から独立記念日の休みに入るところが多いです。来週月まで英語版はお休み。日本語版はなんか書きます。

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2009年7月2日木曜日

energy star 仕様第五弾

データセンターというとenergy starはサーバのものでしたが、もともとenergy starといえば、冷蔵庫などのアプライアンスやディスプレーやPCやノート型パソコンなどのエネルギー効率の目安となるものです。最近この第5版が完成しました。

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2009年7月1日水曜日

砂漠にデータセンターを建設する?

今までにはデータセンターは寒冷地に作れと言われて来ました。もちろん、外気が冷たければ、データセンター内の温度を下げるためのエネルギーが小さくて済むと思いますが、アリゾナにデータセンターを建設した会社の社長によれば、外気の影響はせいぜい0.1%としかなくて、実際にはどれだけの熱が内部で発生するかと説明しています。また、砂漠は外気が乾いているので、熱を除去しやすいそうです。それが証拠に:
  • JPMorgan Chase,
  • Bank of America,
  • United Airlines,
  • State Farm,
  • トヨタ
などお大手もアリゾナにデータセンターを持っています。アリゾナが建設に適している点は:
  • 発電量が豊富で他州に供給している
  • 自然災害がない
ところで、温室ガス排出を規制する「規制してトレード法案」が下院を通過しましたが、これが法律となるとデータセンターは何ができるんでしょうか?どの場で電力を供給されるわけですから:
  • まだ建設場所を探しているのであれば、クリーンなエネルギーから発電している地域に建設
  • 既に、データセンターがある場合は、電力消費を抑えるか、クリーンな電力に変えるように圧力をかける
今後は、建設現場の選定にクリーンエネルギーも入れなければならなくなるでしょう。

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