2009年9月30日水曜日

貯水池をエネルギーのストレッジとして使う







































































再生可能エネルギーだけの問題ではありませんが、発電した電力を蓄電できる技術は送電をスムーズにするためにも必要です。色々な方法がありますが、一番簡単なのは、2つの高さの違う貯水池の間で水を移動させることです。水力発電ですから、上から下へ水を落としてそのエネルギーでタービンを回して発電し、また水をくみ上げて上に移動させる訳です。こうすれば、必要なときに電力を補填できます。ある意味では貯水池を大きな電池(正に電気の池)のように使っているわけです。

話には聞いていても、実際のものは見たことがないので、この前の週末車で1時間かけて、近くの貯水池に行ってきました。Gilroy(米国有数のガーリックの産地)から東に約50KMです。一番上の地図の左の大きな水色のところがSan Luis 貯水池で、すぐ右の小さな貯水池がO’Neill Forebay貯水池です。San Luisの方が標高が高いです。

写真2番目は2つの貯水池の境にある4本の柱です。この柱の中を伝って水が上下します。柱の後ろにはダムが、見えます。この土手の反対側が次の写真で、下に水力発電所が見えます。

最後の写真は近くにある変電所です。


原文ここ

2009年9月29日火曜日

クラウドでHPC (High Performance Computing) を実現する。

SDfourmの集まりは月にたくさんあり、大体毎日なにかの集まりがあります。Cloud のSIGは比較的最近できました。

クラウドも一般的なものから特殊化されたものに移行してきたという感じです。この集まりの中で、何回もAmazonのEC2が引き合いに出されて比較されました。明らかに、EC2が標準になっている訳です。その辺りはこの集まりの世話人のBernard Golden氏のビデオを見てください。





4人のスピーカーはGridDynamicsVictoria Libschitz、Penguin Computing のTom Coull、VMwareの
Ken SchuttとBlueLockのBrian Wolf の各氏でした。クラウドと言えば、クラウドのサービスを提供するプロバイダーとユーザと考えがちですが、実際にはクラウドの環境を与えられても、専門知識がないとそれを利用できないことが多いです。それに対応するのが、GridDynamicsやPenguin Computingです。GridDynamicsは完全なエンジニアリングの会社で、Penguin computingはHPCを手ごろに提供する会社です。 その他、VMwareやそのパートナーのBlueLockがVMWorld 2009で発表されたばかりのvCloud expressについて講演しました。

原文ここ

2009年9月26日土曜日

衛星によるインターネットアクセスで、データセンター建設地の選択範囲を拡大?



最近の記事で衛星によるインターネット・アクセスが向上したと書いてあります。以前だとダウンで大体何百Kbのオーダーでしたが、1.5Mbなどもあたり前になって来ています。もし今後この速さが更に改良されるのであれば、データセンターの立地条件の最低条件は、安定して安価な電力の供給とインターネットへのアクセスです。

電力の問題は再生可能エネルギーでかなり解決が可能になってくると思います。しかし、もう1つのインターネットへのアクセスは近くにインターネットへのアクセスポイントが近くにないといかんともし難いです。それで、この2つを組み合わせればどうかということです。もちろん、衛星にも:
  • LEO:200KMから2,000KM上空
  • MEO:8,000KM上空
  • GEO: 35,000KM上空
の種類があり、GEOだと遅延が酷く、TCPに改ざんを加えないと送ったパケットへの返事が時間内に届かないので、更に同じパケットを送るということになってしまいます。LEOやMEOだとあまりそういう心配はありません。問題はLEOやMEOでそんなサービスがあるかということですが、記事ではGEOの話しかありませんでした。

理想は電力はソーラーか風力で、ネットアクセスは衛星でとなりませんかね。。。。

原文ここ

2009年9月25日金曜日

ヨロズIT善問答: IT Mediaへの最初のブログ





昔netscapeと交渉をした時に会った。Jim ClarkやMarc Andreesenについて書きました。

実際のブログはここ

本のリビュー:CiscoのDoug Alger氏の「データセンターをエコにする。」

8月末に出版されました。前にリビューした本に比べるとファシリティの話が多いです。当然英語です。




















構成:
  • エコの基礎(1-2章):何がエコ(グリーン)か?どうやって評価するのか。米国だけの話ではなく、日本を含む諸外国の話も書かれています。
  • ファシリティ関係(3-7章):建物、電力、冷却、ケーブル、消火など。
  • IT関係(8-9章):ITのハードの電力消費とその効率とITのサーバー、ストレッジとネットワークにそれぞれに対する仮想化の詳細と最終的にはデータセンター全体の仮想化
  • その他(10章):e-wasteなど。
リビュー:

良く構成されており、それぞれのサブジェクトは最新の話題や技術・手法を含んでおり有用です。8-9章だけが、ITの話で3-7章はファシリティの話なので、ファシリティから見たデータセンターのエコかと思いますが、8章はともかく、9章での統廃合と仮想化の議論は詳細に渡り、ともすれば仮想化の話がサーバーに偏りがちですが、この本ではストレッジもネットワークに関しても仮想化の意味を正しくとられています。更に、仮想化の度合いも議論していて、初心者から専門家に取っても貴重な情報です。9章のおかげで、ファシリティとITの情報がバランスしていると思います。

拡張:

この本は現在の技術や手法をタイムリーに伝えていますが、ソフトそのもののエコ化というものも議論して欲しいと思っています。ちなみに、最近のコンファレンスで、この問題のセッションのチェアーをしました。

原文ここ

2009年9月24日木曜日

コンパクトなビデオカメラ


データセンターとは全く関係ありませんが、この小さなビデオカメラは日本円で1万円切るでしょうが(最近の円高で)、実に良く出来ています。最初は日本製品かと思いましたが。もっとも日本のメーカーならもう少しデザインを良くして、使い勝手を良くするでしょうが。

SaaSは通常のソフトウエアに比べてエコか?


SaaSは通常のソフトウエアに比べてエコかという問題は、よく議論になります。でも話が定性的で、定量的でないので、なんとなくそうかなあと思います。NetSuiteという会社が実証実験をしました。それについては、ここに書きました。

SaaSと通常に自社でインストールして使用するソフトのエネルギー効率を比較するのは、非常に困難ですが、細かいところを省いて大雑把に計算した記事について書いています。なぜ、一般的にSaaSの方がエネルギー効率が高いかと言うと:
  1. 同じソフトを多くのユーザで同時に使用することで、1つのユーザの電力使用量が減る。
  2. クライアントに大きなソフトをインストールしなくても、ウエブブラウザーさえあれば良い。
ということですが、#1に関しては会社によっては他の会社とソフトを共有するのを嫌がるものもあるかも知れませんし、ものによってはそんなに同じソフトに対して多くのユーザがいないかも知れません。で、この部分はかなりケースによっては効率化の値にばらつきがあるでしょう。#2は多分本当でしょう。

最後にSaaSのほかにIaaSやその他、コーロや色々なオプションがあります。これは前にも触れました。


原文ここ

2009年9月23日水曜日

最初の動画投稿。クラウドでHPCを実現する.

この方法で行きます。自分のところにアップロードするとなにかと大変。

最初の動画投稿。クラウドでHPCを実現する



テキストは後で。

smartメータを設置すると本当に消費電力は減少するのか?























Smartメータを設置すると本当に消費電力は減少するのか?これは本当かなと思わないでもないです。周辺の人を見ているとつまらないところに金を遣って、こういう細かいところで節約するとはあまり信じられないですが。しかし、実際のパイロット実験では、本当に平均15%程度の消費が減るようです。この手のデータは前に一度だけ見たことがあります。今回は大手のIBMが入っているので、それなりに信憑性もあるでしょう。

原文のリンクにはIBMと組んでいるConcertによる簡単なヴィデオがありますが、あまりたいしたことはありません。当地では、今年の12月から来年の10月にかけてメーターを取り替えるとPG&Eが言ってます。スマート・グリッドの記事を日経コンピュータさんに書きました

原文ここ

2009年9月22日火曜日

DellによるPerotシステムの買収












DellがPerotシステムを3900億円で買収すると発表しました。HP(EDSを買収)とIBM(PriceWater Houseを買収)と同様にITサービスに特化していくのではないかと見られています。ハードのビジネスは多売薄利でけっこうしんどいですからね。サービスやアウトソースの業務の方が利益率も高いですしね。

ところで、Perotシステムはヘルスケアーと政府関連に強いことで知られてます。ヘルスケアーは全収入の48%で政府関連は25%です。この2つで総収入の73%を叩きだしていることになります。総収入は2500億円から2800億円ですから、1825億から2000億円程度になります。サービス業は当然データセンターにも及びます。

最近の近くの噂では、Dellのある人が昇進してサービス部門を率いることになり、その人と連絡を取ろうとした人から聞きましたが忙しく全米を飛び回っており、全く連絡が取れないと言ってました。当然この動きに連携しているのでしょう。

Ross Perotが創始したEDSもPerotシステムもどちらも買収されてなくなります。アメリカの激しいM&Aをみていると日本のITの大手は顔が変わらんですね。

原文ここ

2009年9月19日土曜日

悪いのはデータセンターで、正義の味方はcloud computing?




































「悪いのはデータセンターで、正義の味方はcloud computing」と言う発言をしたら、袋叩きになるか鼻であしらわれると思うのですが、米国CIOが言えば問題ないようです。

彼の発言は簡単に言えば、米国政府が自前のデータセンターを持ってその大きな建物を保守して、大量の電力を使ってなにも良いことはない。今後は自前のデータセンターを止めて、Cloud computingにすると言ったわけです。

何回も言っているように、cloudの提供社は絶対にエコでないと思います。そうなると、政府の無駄をCloud の提供社に押し付けただけですよね。しかも、データセンターは悪、cloudは正義の味方なんという簡単なメッセージで良いのでしょうか。

原文ここ

IT Mediaのブログにデビューします。





このブログはエコ関係に留めています。

IT Mediaさんへの投稿は:
1.あまり露出度は高くないが、面白いイベント
2.今まで30数年米国であった面白い有名・無名人
3.斜めからの技術解説

来週から始まる予定です。それも、読んでください。

その「ヨロズIT善問答」ブログはここから、来週デビューです。

2009年9月18日金曜日

9月16号の日経コンピュータに米国のスマートグリッドの記事を投稿しました。

9月16号の日経コンピュータに米国のスマートグリッドの記事を投稿しました。 買っても買わなくても読んでみてください。

プライベート、パブリック、外部、内部クラウド




















図と表はクリックで拡大

プライベート、パブリック、外部、内部クラウドとまたややこしい言葉が使われていますが、Ciscoはprivateとpublicの他に外部と内部という概念を発表してます。つまり、前に言ったように、private cloudというのは、コントロールが自分に全部あるという意味でそうなると、自分の場所にないデータセンターも使用可能となります。表をみてください。組み合わせで、1と4は当然ですね。プライベートが内部(1)で、パブリックが外部(4)。前のポストで述べたようにプライベートで外部(2)というのもありですね。でもパブリックで内部(3)というのは、自身がクラウドを提供するベンダーでないとあり得ませんね。

最初このポストを見た時、また余計な定義かと思いましたが、これでかなりはっきりとしてきしました。

原文には元のCiscoの人のビデオによる講義も載っています。


原文ここ

MSと対決するGoogle









MSで儲かっているのは、ウインドウズのOSとオフィースだけだと言う辛口もあります。このデスクトップのヘゲモニーを崩せば、Googleは万々歳でしょう。最近GoogleはNASA Amesの研究所で、米国政府に対してGoogle Appを売り込んでいると発表しました。もし、Googleが米国政府に売り込めれば、最大のenterpriseのお客さんとなります。これが成功すれば、大きなカスタマーをとらえたこともありますが、二の足を踏んでいた他のEnterpriseのお客さんも、どどっと動くかも知れません。当然のことですが、政府が要求するセキュリティやSLA等を満たさなければなりません。

確かに、オフィースの機能は全部使いきることは出来ませんので、簡易であっても十分に通用するというのがGoogleの主張です。最近は使っていませんが、初期の頃Google Appは使って見ましたがいまいちという感触でした。 それとやはり、ネットワークのアクセスがないと、ファイルにアクセスできないのはなんとなく、心配ですね。もっとも、最近はネットアクセスのないところで、コンピュータを立ち上げないからそれで良いという話もありますが。どなたか、お使いですか?

原文ここ

2009年9月16日水曜日

リチウム・バッテリーのマーケット・シェアー


電気自動車への動きでリチウム・バッテリーが熱いです。文芸春秋の9月号によれば、日本は現在世界のリチウム・バッテリーのマーケット・シェアーで60%を超えているそうです。大手は:
です。個別の企業としては:
  • 三洋 27% シェアー
  • ソニー19% シェアー
  • サムソンSDI—18% シェアー
  • Panasonic
  • NEC Tokin  
です。果たしてこにままのリードを保てるのでしょうか。

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2009年9月15日火曜日

関西空港への道

関空に行かれるかたは少ないかと思います。阪急西宮北口からのバスで行きます。





PrivateとPubic Cloud


Privateクラウドへの不信感は増すばかりです。でもPrivate cloudでコンスタントな負荷を処理して、Publicで可変部分を押さえるというにはありでしょう。これは一般的にはCloudBurstと呼ばれてますが、privateで処理できなくなったらpublic cloudを利用するという話ですが、もともとprivate cloudを持つ理由は前面的にコントロールしたいからでしょう。つまり、セキュリティやSLAその他の要件をパスしたいということでしょう。

一般的にPrivate cloudは自前のデータセンターでファイアーウオールの後ろに設定するということですが、自前のデータセンターでなくても、完全にコントロールできセキュリティやSLA(遅延など)を確保できるのであればそれは論理的にはprivate cloudと呼べるでしょう。そうであれば、図にあるような感じで利用できるようになります。もちろん、技術的には結構めんどくさいでしょう。特に、セキュリティの面をどうするかですね。しかし、今ある技術でできるような気がします。ご意見をお聞かせください。

原文ここ

google gmailが落ちた。違った見方は。。。

少し前になりますが、googleのgmailが落ちました。例によってクラウドは信用できないとか、バックアップを考えるべきだと騒がしいです。gmailはメールなんで、どうやったらバックアップのメールを設定できるのか分かりません。サービスが落ちているのだから、そこから転送しようとしても無理でしょう。それはさておき、結局最大の問題点はgoogleがどれだけの需要をみこんでいたかということになります。

SaaSでメールのアプリを提供している訳ですが、事前にどれだけの需要が生じるのか分かりません。一時的にあるブロックのサーバを落としてメンテしていたようですが、どれだけのサーバーでどれだけの処理ができるかはダイナミックに変化するの需要を理解しなければならない。それは誰にも分かりません。クラウドのすごいところは、そういって需要が突然やってきてもそれに対応できるということです。でもそのためには、必要以上にソフト、電力、冷却、サーバーなどのハードを用意して置かなくてはなりません。

それができるのはほんの一握りのベンダーでしょう。是非ともクラウド・ベンダーに聞いてみたいものです。

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2009年9月11日金曜日

cloud computingはグリーン(エコ)か?


こちらは、エネルギー問題をITの視点からとらえるブログなんで、機能的な面が強調されているcloud computingをエネルギーの観点からグリーン(エコ)かという点を見てみたいと思います。聞きたいのは:
  1. cloud copmputingは自前のデータセンターよりもグリーンなのか?
  2. ユーザに関しては、エコかもしれないが、ではそのデータセンターは本当にグリーンか?
#1に関しては、多分そうでしょう。まとめて、データセンターの箱も電源も冷却もするわけですから、全体としては効率が良くなるでしょう。簡単に言えば、必要最小限のリソースをその度々の需要に応じて利用するわけですから、効率が上昇するのは当然と言えるでしょう。でも、#2はどうでしょうか?ただでさえ、事前にに需要を正確に予想して、それに対応するというのは困難です。それにもまして、cloud computingの場合需要がダイナミックに大きく(場合によっては短期間に1,000倍にもなるような場合)も歓迎するわけですから、箱、電源、冷却、ハード、ソフトを多い目に用意する必要があります。需要が低いときでも、これを用意し続けまた、それに対する保守も必要です。需要が大きくなったときにハードを買い求めても間に合いません。需要がなくなっても、ハードを売却する訳にも行きません。次の日にまた需要が大きくなるかもしれないからです。だったら、今まで言われていたデータセンターの設計と変わらないのではないでしょうか。

是非クラウドのベンダーを集めて聞いてみたいものです。候補は:
  • Google
  • Rackspace
  • GoGrid
  • VMware
  • NetSuite
そのほか、HP、IBM、Oracle、Ciscoなんかにも参加して欲しいですね。候補は全てシリコンバレーの会社だけです。IBMは南カリフォルニアには大きなcloudの研究所があります。

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2009年9月9日水曜日

スマートグリッドのコンファレンス(エネルギーストレッジ)-2

続きはパネルで
  • silver springに投資しているFoundation capital
  • Intel
  • Epri
  • Silver springでした。

原文ここ

スマートグリッドのコンファレンス(エネルギーストレッジ)-1

エネルギーストレッジのはずがそれほど、そのネタは出ませんでした。Silver Spring networks のCFO
がキーノートをしました。あちこちでsilver springの話はあるので、あんまり面白くないかと。。。。。


原文ここ

新しいデータセンターの本

シスコから新しいデータセンターの本がでました。11時間の飛行中、映画もつまらんので
全部読みました。254ページ。全体としては、ファシリティ中心ですが、8と9章では仮想化をサーバー、ストレッジ、ネットワークと取り上げて、非常に良いカバーをしています。前面リビューを近いうちに書きます。帰りの飛行機の中でもういちど読みます。

本はここにあります。

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日本のスマートグリッド
















日本へいる間に、日本の電力事情を調べるべく、カメラ片手に日曜の朝早く、上を見上げながら歩いているとたまにすれ違う人が怪訝な顔をするのがよく分ります。日本らしいなあという写真は、鉄塔の近くに仏像がありました。ところで、日経コンピューターの9月16日号はスマートグリッド特集だそうで、私の米国のスマートグリッドの記事と日本のスマートグリッドの記事がでる予定です。

原文ここ

2009年9月6日日曜日

宝塚風景いろいろ


















































































阪急宝塚南口の東側にあるシュプール喫茶店。まさに、昔なつかしい喫茶店。 有線は60年度のアメリカン・ロックがかかるレトロな喫茶店。よろしいなあ。。。

2009年9月1日火曜日

電力消費のモニターや計測から次はどこに行くのか?

もし、たった1つだけすることがあるなら、何をするかという話を書きました。ではその後はどうしましょう?
まづ、

  1. 電力消費を計測して、消費を抑える
  2. 電力はエネルギーの1つの形態と考え、エネルギーの消費を抑える
  3. 温室効果ガスの測定とその抑制
  4. エネルギー不足と温室効果ガスの抑制のために、再生可能エネルギーを開発
  5. スマートグリッドへ
ここまで、書くとなぜ、電力消費のモニターや計測が最低の条件であることがわかると思います。1つの大きなジャンプは1と2かも知れません。データセンターで消費されるエネルギー(電力は1つのエネルギー)は電力のほかに、水やe-wasteなどの形態をとることもあります。 温室効果ガスを抑えるためには、発電は再生可能エネルギーを開発することが必要となります。既存や新規のエネルギーの供給には、スマートグリッドが必要です。

原文ここ

後1ヶ月半、シリコンバレー リーダーシップ データセンターエネルギー効率化のコンファレンス

シリコンバレー・リーダーシップ・グループ (SVLG) はシリコンバレーのNPOでシリコンバレー (SV) にある300社程度が参加しています。SVLGはSVの郡市町村、カリフォルニア州、連邦政府、教育機関、研究機関、産業界とSVの生活の改善・向上のため経済、教育、安全・セキュリティ、交通、エネルギーなどの広い分野で協力、議論し、色々なプロジェクトを遂行しています。

データセンターでのエネルギー危機

2006年に米国議会が全米でのデータセンターの電力消費が米国での総電力消費に占める割合を憂慮して、日本の環境省にあたるEPA (Environmental Protection Agency) にこの問題を調査して報告するように命令しました。これを受け、EPAはローレンス・バークレー国立研究所の助力を受け2007年にその調査結果を発表しました。それによりますと、2000年から2006年には全米のデータセンターの電力消費量は2倍になり、2006年では全米消費量の1.5%となりました。このままの事態が続けば2011年には再び2倍になるという結論をだしました。その電力消費量をサポートするには、新たに10箇所に発電所を設立する必要があります。この調査結果がエコ・グリーン データセンターという動きが活発化してきました。

SVLGの実証実験

EPAの調査結果は実証ではなく、実存するデータや統計学的処理によるもので、少し説得力に欠けるところがあり、そのため2007年から2008年に渡りSVLGが中心となりEPAの調査レポートの結論を種々の観点から実証実験を行いました。結果は昨年の6月に発表されました。実験は17のプロジェクトに渡り

· 電力 (電力の割り振りと効率の良い配電の手法)
· 仮想化 (仮想化によるデータセンターの統合)
· 冷却 (hot/cold aisle、hot aisle 封じこめ、cold aisle 封じ込め、air economizer、空冷。水冷ベンダーを集めて冷却効率の比較)
· 無線センサーによるモニター(無線モニターで温度や湿度を計測して、運営に反映させる)
· その他の先端技術や運営方法

が実証されました。多くの場合はデータセンターの運営会社と技術を提供する会社が共同で予め決められたデータセンターのエネルギー効率化のための実験を行います。実験の終了後SVLGの検証グループが結果を審査します。これは、実施社が都合の良い結果を出して自社のPRなど不当な行為を行わないためです。

昨年の参加社の一部は以下のとおり:
· Oracle
· Sun
· Accenture
· Lawrence Berkeley National Labs
· Department of Energy
· NetApps
· Symantec
· Yahoo
· APC
· Liebert
· PG&E
· California Energy Commission
· その他

今年は第二回として実証実験は6月初旬より開始されています。今回は更に多くの参加社を得て、積極的に仮想化率を上げたサーバー設置、新たなストレッジ技術、外気を利用した冷却、種々の冷却方式の比較、コンテナ型データセンターなどの先端技術を網羅して行います。

データセンターのエネルギー効率を上昇させることで、エネルギー消費を抑えます。米国ではグリーンデータセンターのグリーンは「エコ」というよりも「緑のお金」(昔米国ドルは緑だったのでこういう表現となります。) 「エコ」は電力効率化による消費削減からというのが本音でしょうか。しかし、ここに来て「温室ガス抑制とトレード」法案が通り、温室ガス抑制も大きなテーマとなってきており、このトピックもクラウド・コンピューティングと共にパネルディスカッションの場で論議されます。

結果発表

結果発表会は今年の秋シリコンバレーで開催されます。昨年はSunの美しいキャンパスで開かれました。この発表会への参加は実証実験に参加していなくても可能です。今年はシリコンバレーのNetapp社のキャンパスで10月15日に開催されます。

最後にこのSVLGのプロジェクトは殆ど全員がボランティアとして参加しています。