2010年3月2日火曜日

スマートメータは本当に正確か

他の場所でスマートメータの問題について書きました。ことの起こりは北カリフォルニアに電力とガスを供給するPGEという会社(筆者もここのサービスを利用)がスマートメータを設置し始めました。カリフォルニア中部が先に設置を始めたのですが、設置を受けた消費者が電気料金が2倍や3倍になったと騒ぎだしました。PGEはこれは電力料金の値上げと例年になく暑かった夏のせいだと結論付けましたが、消費者は収まらず、カリフォルニアの公益事業委員会に訴えて現在調査中です。

この件に関して、電力事業の専門家2人に聞いたところ、面白いことが分かりました。既存のメータは電気機械的なもので、長年使用しているとメーターの進み方が遅れるとのことです。つまり、今のメータは正しく使用量を伝えていないということです。もっというと、消費者である筆者はこのメータの誤作動のおかげで、電気代が少なくて済んでいるということです。もっとも、色々調べると必ずしも古くなると進み方が遅れるというわけでもなくて、遅れるのは90%程度だというのです。

これだと、どうしてスマートメータの問題が起こったか説明がつきます。アナリストとしての筆者は早くスマートメータを取り付けてもらいたいですが、消費者としての筆者はあまり歓迎しません。

それと、ここに書いたような問題は完全な解があるわけでもないことが、分かってきました:
  • 莫大な量のデータの収集が、問題なく行われるのか
  • 莫大な量のデータが収集されるが、それをどこに貯蔵するのか
  • 貯蔵されたデータが安全かつ正しく管理されるのか
携帯電話網でうまく行っているから、同じように問題なく出来るというのはあまりにも、能天気な回答のような気がします。この問題をPGEの技術ディレクターの人に聞きましたが、携帯電話網を見てみろとかデータは大量になるだろうねという程度であまり納得の行く回答を得ることが出来ませんでした。

消費者としてはスマートメータになってもあまりひどいことにならないことを祈るのみです。

原文ここ

0 件のコメント: