2009年3月30日月曜日

エコ データセンター用の地熱発電


再生可能エネルギーといえば、ソーラー、風発電、潮力発電、水力発電などがあります。地熱発電というのはあまり議論されて来ませんでした。

前にも述べましたように、米国のデータセンターでの電力消費は伸びる一方で、2000から2006年の間に2倍になり、2006年では全米電力消費の1.5%となりました。このままなにもしないと、5年後の2011年には更に2倍になってしまいます。そうなると、新たに10の発電所が必要になります。この事態を解決するには:
  • 電力消費効率をあげ、電力消費を抑える
  • 新たなエネルギー源を求める
ことが必要です。現在までの動きは前者に集中しています。しかし、後者も大切でしょう。MSやGoogleは新たなデータセンターの建設を風力を利用するために、アイオワ州にまた、水力発電を利用するためにワシントン州やオレゴン州に建設しています。原子力発電に関しては、スリーマイル・アイランドの原子力発電所の事故以降1つも原子力発電所は建設されていません。

更に、水力を除くと他の再生可能エネルギーは2-3倍のコストがかかります。これが問題でした。地熱発電は地中の熱と水蒸気を利用して、タービンを回して発電するもので、殆どどこでも可能であり、またコストも現在のエネルギーと殆ど同等の値段です。しかし、場所によっては水蒸気の量や勢いにばらつきがあります。

Googleは地熱井涵養(Enhanced Geothermal Systems)を採用しています。これは、地中の熱い岩石に水を通すことで、水蒸気を発生させます。これだと、むらがなくなります。Googleはこの関係の会社は研究機関に10億円程度を投資しています。図はGoogleのシステムの簡単な説明です。水を地中に入れて熱い岩石で水蒸気化してタービンを回して、また循環すうという図です。

地熱を利用した発電でデーターセンターをまかなうプロジェクトはアイスランドで予定されていましたが、未曾有の経済危機の中現在は中止されています。

これを利用できる他の国は日本です。しかし、地熱を利用できるところが多く国立公園や国定公園と重なり、法的に掘り返したりできません。また、近くに温泉などがあるところが多く、地元住民の反対が多くなかなか進みません。しかし、EGSであれば必ずしもそういった地域を選択することもなく、今後期待できると思います。

2009年3月27日金曜日

データセンターをアウトソース

データセンターをアウトソースをする理由は色々あります。
  • データセンターが更に複雑化している。
  • ちょうど良いITとファシリティのスタッフを獲得して、維持することの困難さ。
  • 経費を削減(capexなし)。
  • コアでないビジネスはアウトソース
  • スペース、電力、冷却の問題を解消
ところで、Coloやホスティングの会社は非常にビジネス好調だそうです。

原文ここ

日経BPITproへの記事




今回は電力について書きました。

「米国のデータセンターにおける重要課題の1つは,いかに手頃な価格で電力の安定供給を確保することである。連載の第8回と第9回では,電力のムダはどこから来るのかという現状を解析し,電力効率向上への具体的な取り組みへと話しを進める。」

ここ

インターネット・アーカイブ(Internet Archive)


インターネット・アーカイブは日本語版ウイキペディアによれば、

「インターネット・アーカイブ(Internet Archive)は、Webマルチメディア資料のアーカイブを運営している団体である。本部はカリフォルニア州サンフランシスコプレシディオに置かれている。

アーカイブには、「WWWのスナップショット」と呼ばれる、ある時点において収集されたウェブページのコピー(ウェブアーカイブ)や、ソフトウェア映画録音データ(バンド等の許可によるライブ公演の録音も含む)などがある。アーカイブは、その資料を無償で研究者や歴史家などに提供している。」

このシステムをサンがコンテナ型のデータセンターで実現しました。

原文ここ

2009年3月25日水曜日

2重床は今後も続くか?

実際のデータセンター会社と話をしていると、2重床もそのうちになくなるかも知れませんね。もっともそのうちは数年から10年以上も先かも知れませんか。

  • 重さの制限
  • 密度を上げて、コンピューティング、密度を上げて冷却
というのが、結構多い意見でした。

原文ここ

2009年3月24日火曜日

data center pulseへのお誘い


エコ・データセンターに関するコンソーシアムは結構あります。去年できたほやほやはdata center pulseです。最近このコンソーシアムのファウンダーの1人のDeal Nelson氏をSunのデータセンターに尋ねて、いろいろと聞いてきました。写真はDeal Nelson氏。

日本からの参加はまだ殆どないようですので、参加をお願いします。
Data Center PulseのURL.

原文ここ

2009年3月20日金曜日

電力会社からのリベート

なんか、日本語でリベートというと何か胡散臭い、後ろ暗い感じがします。データセンターでの電力消費が問題です。もちろん、データセンター運営会社も経費を削減したい訳ですが、更にそれに対して報奨金を出そうという話です。但し、そのリベートのプログラムは非常に複雑で読むだけでも面毒さく、更に、自分の状況が当てはまるのかどうかを見極めるのも煩雑です。では、そういう専門家を雇いましょうということになり、そういう会社の1つがBluestoneっていうんですが、それに関するコンサル業務も提供しています。

原文ここ

2009年3月19日木曜日

サクラもどき(サンタクララ市、ダウンタウン)

こちらも、花盛りです。良く見ると花の色は白です。サクラではありません。ではなんじゃと言われると困ります。もう20数年も住んでますが、何の花か木か分かりません。

桜の開花は後1-2週間でしょうか。シリコンバレーつい最近まで結構寒かったです。1月は暖かったですが、その後寒くなって。。。。

あまり、関係ないことばかり書くとなんので、ちとデータセンターに関するところを。場所はサンタクララ市のダウンタウンです。昼飯時です。サンタクララ市はファイバー回線と潤沢な電力で、総電力消費の25%はデータセンターだそうです。

また、市が発電所を持っているので、電力事情は良いです。2-3年前の夏電力事情が悪く周辺の都市は順番に停電さえる方式でひどい目に合いました。そのときもサンタクララだけは涼しい顔をしていました。

CFD(熱流体解析)

空気は目に見えないので、熱流体解析をしないと実際に熱い空気と冷たい空気がどう流れているか分かりません。しかし、この解析は安くないので、安く提供する会社が出現するとニュースになります。もちろん、安かろう悪かろうというコメントもあります。

原文ここ

2009年3月18日水曜日

SSD


今日は朝からデータセンター漬けでじゃっかん。。。。7時にロンドンと8時にワシントンDCと電話会議、そして10時からデータセンターツアー。。。。しばらくは、データセンターはと思いつつ。。。。

今日はSunがSSDを採用し始めたという話です。サーバーに関する問題が峠を越えたかという感じで、ストレッジへと話は進んでますね。でも結構複雑ですね。ストレッジの専門の方が本を発表しています。詳細は原文を。

原文ここ

2009年3月17日火曜日

新しいロゴ

新しいロゴはデータセンターでサーバーの電源ボタンを押そうとしているところです。やはりロゴなしでは寂しいので、作って貰いました。これが示そうとしているのは、以下の2つです。

グリーンITはオフィースもデータセンターも扱います。



  • オフィースでは必要のないデスクトップやラップトップは停止する。
  • データセンターでは必要のないサーバーは停止する。
原文ここ

2009年3月13日金曜日

Cassatt訪問記


Cassattという会社に行って、色々と話を聞いて来ました。Cassattは電力をモニターして、必要に応じて負荷を動かし、バーチャル・マシン ( VM)でもそうでなくても、負荷がなくなったサーバーは停止します。もちろん、必要になればまた作動させます。最近流行りになってきた、dynamic power management(DPM)と呼ばれるものです。Cassattのほかにも数社が参入して来ています。CPU Throttlingだってある意味ではdynamic power managementですよね。HPやIBMは自前のサーバーに限って管理する方式があります。CassattのほかにはPowerassureやその他いろいろとあります。
Sergey Nikiforov, Technical Alliance Manager & Jay Fry, Vice President of Marketing

原文ここ

2009年3月11日水曜日

netbookかスマートフォンか?

netbookかスマートフォンかという話です。安いということで、netbookが最近注目を浴びてますが、私はスマートフォンというか、進化した携帯 がこの戦いに勝つと思います。というのは、携帯でインターネットに接続する人はこのまま携帯で行くでしょう。Laptopでやって来た人はそう簡単に使い にくいnetbookに変えるとも思えません。WiMaxが来なくてもWiFiのアクセスがなくても、本当に絶対アクセスの必要な人は電話会社のカードを 使っていつでも、どこでも、アクセスするでしょう。

この予想が当たりますでしょうか。

原文ここ

2009年3月10日火曜日

ブレードを使うべきか、使ってはいけないのか

不況の影響でサーバーの売り上げは落ちてます。でもブレードだけは増加の一途。これはどういうことでしょうか。ブレードの功罪は色々と言われてます。コンピューティングをまとめ、電源や冷却を一括できるんで良いというかと思うと高電力密度の元凶と言われます。本当はどっちなんでしょうか。

原文ここ

2009年3月9日月曜日

2009年3月8日日曜日

建設の止まっているデータセンター

さすがのGoogleやMSもこの不景気で、幾つかのデータセンターの建設を保留しています。これはコーロのデータセンターが発展しているのとは好対照です。これは、建設中止というわけではありません。Cloud comptuingなどの発展を考えると少しでも景気回復すれば、また建設が続行されるでしょう。

原文ここ

2009年3月7日土曜日

私のリサーチレポート出ました。


共著の「グリーン・データセンターのまとめ」が出ました。これは半年間の色々な活動を通じて、現在グリーンデータセンターがどういうものかを簡単にまとめたものです。色々な情報が飛び交っておりますが、それぞればらばらで包括した見方ができるものがほとんどなかったので、じゃあ自分で書くかと思い書きました。当初は15枚程度と思っていたんですが、最終的には27枚ということです。現在の版は英語ですが、日本語にして部数が出るのであれば、日本語化も考えます。

やみくもに情報やデータを投げつけるのではなく、フレームワークを設定してそれに肉付けをしていくというスタンスです。このフレームワークは:グリーンの目的・メトリック・組織の第一層、ビジネスと設計の第二層、そしてそれぞれの要素の第三層から成り立っています。

原文ここ

2009年3月6日金曜日

電力はどこで消費されるのか

データセンターはそれぞれ違うので一概には言えませんが、AmazonのJames Hamiltonによれば大体
  • 59% (IT機器)
  • 8% (配電)
  • 33% (冷却)
これをみると、一番影響が大きいIT機器のエネルギー効率を上げることとIT機器による消費を減少させることと、冷却を削減することです。IT機器による電力消費を削減すれば、自動的に熱の発生が減少しますので、それに応じて冷却を削減できれば2重に節約できます。またこれと同時に冷却そのものの効率を上げることが大切です。でも一番良いのは冷却しないのが一番でしょう。

Hamitonの発表の中で、非常に興味深いのはエネルギーや熱を再利用することPUEを1以下にすることができるというものです。これにはひっくり返りました。Hamiltonは最初にコンテナベースのデータセンターを提唱した人ですし、それなりのベースあっての話しでしょう。今フォローしています。

原文ここ

2009年3月5日木曜日

データセんターのメトリックの記事(私の)




データセんターのメトリックの記事(私の)です。色々な指標について書きました。

ここにリンク

デスクトップ仮想化

デスクトップの仮想化は2種類あります。1つはホスト型。サーバーにあるVM(バーチャル・マシン)にクライアント(シン・クライアント)がアクセスする形です。めんどくさい保守(インストール・アップデート・マルウエア対策)がありません。但し、ネットへにアクセスのないところでは、使えません。

もうひとつはローカル型。クライアントの上にhypervisorを乗せる方法です。これには直接ハードの上にhypervisorを乗せる方法(type-1)と既にあるOSの上にhypervisorに乗せる方法(type-2)があります。type-2は既存のOSを介してのアクセスなんで、じゃっかん遅い。それとセキュリティも弱いですね。type-1はまだ完成品がありません。

ローカル型はモバイルコンピューティングに適してます。ネットワークに繋がっていない場合はクライアントの上で作業して、繋がったらサーバーと同期します。かなりたくさんの技術的問題を解決する必要があります。

原文ここ

2009年3月4日水曜日

バーチャル・デスクトップ

オフィースとデータセンターとを結びつけるものは、Cloud computingとバーチャル・デスクトップです。Cloud computingは言うまでもないことですが、現れては消えるバーチャル・デスクトップです。最近HPとVMwareの合同セミナーに参加してきました。バーチャル・デスクトップは一時流行ったネットワーク・コンピューティングでしょうか。色々と意見もあるようですが、アナリストは直ぐにこの分野どうにかなるとは思っていないようです。

原文ここ

2009年3月3日火曜日

サーバーのEnergyStar

当初2009年の初めに最終版が出る予定であったSever EnergyStarの仕様の第四版がでました。これに対するコメントの締め切りが3月末なので、早くても最終版は今年の半ばではないでしょうか。

原文ここ

2009年3月1日日曜日

SVLG2009年データセンター・サミット準備委員会

米国では、EPA(環境庁)のデーターセンターでの電力消費のレポートが出て以来、データセンターでの電力消費をなんとかしようと言う動きがあります。EPAのレポートは多分に理論的で実証をしたわけではありません。SVLG (Silicon Valley Leadership Group)はシリコンバレーの経済や生活を地方や連邦政府と連携して改善しようという組織です。主だった企業は皆入っています。GoogleもCiscoも入ってます。
SVLGの実証実験に関してはここ

2008年に最初のデータセンターのエネルギー・サミットが行なわれました。2009年にも拡大した版が執り行われます。この2009年度版の準備委員会の委員になりました。差し支えない範囲でまた報告します。

電力密度とデータセンター

電力密度を上げた方がよいのかそうでないのかという話は時々聞きます。スペースを節約するためにブレードサーバーをたくさん詰め込んだラックは電気を食うだけでなく、熱の発生も半端なものではありません。そのため、パラドックスが起こるという人の説を解析した人の話を解析したもんです。

私はもともと技術屋としてキャリアを始めたんですが、色々とやっているうち何がなんだか分からなくなってます。ある時、ビジネスマネージャをやってて、部下の技術屋と話をしてて、あることを聞くと必ず返事は「それは、かくかくの状況によります。」という返事でした。私も技術屋だったので、そういうふうに返答するのは分かるんだけど、「そんな細かいことはどうでも良いから。大雑把に言ってくれ。」と言ったら、必ず不満そうな顔をされたものです。

という話はおいておいて、電力を高密度でラックに展開するのか、分散させるべきかは、実は「「それは、かくかくの状況によります。」というのが正しいという落ちです。あまり、面白くないですか?

原文ここ