2010年8月4日水曜日

Marten Mickos氏インタビュー

Marten Mickos氏インタビューを発表します。



筆者は約3年半氏がCEOをしていたMySQLの日本市場進出のコンサルをしました。直接Martenと仕事はしていませんが、何回も会っています。その後MySQLが東京に店を開けて、筆者のコンサルは終わりました。その後は会っていませんでした。MySQLがSunに買収された際、彼はMySQLを離れてその後どうするのかと思っていたら、今年の3月にクラウドのプラットフォームをオープンソースで提供するEucalyptus社のCEOになりました。当初の資金導入も終わり少し暇になったかなと思い、時間を貰ってインタビューすることにしました。以下は編集したインタビューのまとめです。

Qは筆者の質問で、 AはMartenの答えです。

Q:Eucalyptus社のビジネスを端的い言うと以下のようなことか。オンプレミスのクラウドを作るためのオープンソースのツールやユーティリティを提供している。全てのコンポーネントは自前か他のオープンソースを利用している。更に、色々なオプションをサポートできるようになっていて、様々なhypervisorもサポートでき、UbuntuやCentOSなどの主なLinuxのディストリビューションもサポートする。更に、Eucalyptusで作ったクラウドはAWSと大部分コンパチで、VMを相互のクラウド間で移動可能だ。
A:大体正しい。我々はオンプロミスのクラウドを作るためのプラットフォームを提供している。エンタープライズ版はXen, KVMおよびVMwareの仮想化をサポートする。

Q: エンタープライズのカスタマーをあげることができるか。価格はCPUの数で決まるのか。
A: 大手企業や政府関連機関などが現在のカスタマーだが、相手の合意なしでは名前を明かすことはできない。ライセンスはコア毎で、コアあたり$300だ。

Q:オンプロミスのクラウドはなんだ。それはプライベートのクラウドとは違うのか。
A: オンプロミスのクラウドは貴方のサイトで貴方のハードのインフラ上で作動する。プライベートのクラウドは1つの会社のためにだけ使用されるクラウドだ。全部とは言わないが、大体この2つの語句は同義語として使用できる。

Q:ライセンスの形態はなにか。
A:GPL V3だ。

Q:誰がコードを開発して、メイントランクにコミットするのか。コードのコピーライトは持っているのか。他からのコントリビューションも受け付けるのか。
A;我々は自分でコードを開発するし、コピーライトも持っている。しかし、 他からのコントリビューションも受け付ける。

Q:なんか、 MySQLの時とよく似ている。
A:そうだが、MySQLの時は古いデータベース業界でディスラプティブな動きを目指した。Eucalyptusは新しいクラウドの市場で新しいものを創造する。

Q:貴方はオープンソースの支持者だ。貴方はRackspace がしたことを支持するのか。つまり、Rackspaceはクラウドのオープンソース化をめざすOpenStackを発表した。NASAのNebulaプロジェクトはEucalyptusを使っていて、彼らのコードもコントリビュートしている。ということは、EucalyptusもOpenStackに含まれるのか。
A: Rackspaceのしたことは素晴らしい。でも、Eucalyptusは含まれていないと思う。我々のライセンスはGPLだけれど、彼らのはApacheだから。オープンソースではコードを見て、使い、変更してまたディストリビュートする。クラウドの世界では常に新しいプロジェクトや会社が作られている。

Q:しかし、オープンソースで誰でもがなんでも出来るというのであれば、どうやって競争に勝つのか。
A:オープンソースのおかげで、色々な自由選択が広がるのは問題ではなくて、恩恵だと思っている。今日我々のコマーシャル・サポートを必要としないユーザが何千人も我々のコードを使用している。しかし、ミッション・クリティカルなサイトでは我々のサポート、バグフィクスや機能強化を必要としている。我々のユニークなところはスケーラブルで、安定した製品を提供していることだ。

Q:AmazonはXenというオープンソースを使いながら、APIやファイル形式は独自のものを使っている。これはオープンソースをクローズドソースに閉じ込めたようなものだ。これについてはどう思うか。
A:これはオープンソースの持つ力を良く表現している。今日、オープンソースは多くの主なインフラの設置に必要だ。Amazonはライセンスの規定内でオープンソースのスピリットに従ってビジネスを行っている。

Q:Rich Wolski氏(ファウンダー)はどんな人か。典型的な研究者か。
A:とんでもない。 典型的な研究者はこんな有益なものを生み出さないし、ましてビジネスを起そうなんて思わない。

Q:クラウド・コンピューティングはエネルギー効率が良いか。
A: そうだ。効率が良い。しかし、どのコンピューティングもある程度のエネルギーは消費する。クラウドではリソースの使用効率が高い。また、しばらくアイドルになるサーバーは停止することがえきる。

Q:その反対はどうか。許容量以上の負荷がきたらどうするのか。幾つかのクラウド間で付加分散するのか。また、その時の問題は。
A: クラウド・コンピューティングにはクラウド・バーストがある。これは負荷をダイナミックに1つのクラウドから他のクラウドに移動させるものだ。それはかなりまだ先のことだ。セキュリティ、認証、遅延の問題を解決しなければならない。

Q;どこのマーケットが重要か。
A:アメリカ、ヨーロッパ、中国と日本だ。

Q:アメリカ以外のマーケットでなにかしているか。
A:最終的にはこの4つのマーヶットに進出したいが、今はアメリカで手一杯だ。

Q:ところで、今シリコンバレーのカフェーで話をしているが、 Eucalyptusをシリコンバレーに移動する気はないのか。(筆者注:現在のヘッドクオーターはサンタバーバラ)
A:クラウド・コンピューティングのご時世、会社のヘッドクオータがどこにあっても関係ない。CEOがいるところがヘッドクオーターだ。

 Q:それは、エアフォース・ワン(Air Force One)みたいだ。大統領が乗った飛行機がエアフォース・ワンになる。
A:その通りだ。今はこのカフェが Eucalyptus oneだ。ここで、CEOとしての決断を下すことができる。会社の決断は様々な場所でまた様々な人によってなされる。Eucalyptusでは皆はチームとして働く。この例を引くのであれば、全ての社員がいる場所も考慮しなければならない。

Q;MySQL時の貴方で印象深かったのは、たとえが非常にうまかったと言うことだ。たとえば、同じ飛行機に乗っていれば、ファースト、ビジネス、エコノミーのどの席に乗っていようと目的地には同時に着くと、MySQLとOracleのデータベースを比較した。 Eucalyptusやクラウドでこういった例えはあるか。
A:色々と考えてるが、まだない。



もう数年も会っていなかったが、Martenは同じフリエンドリなナイスガイだ。色々とリサーチするとMySQLと Eucalyptusには幾つかの共通点がある。どちらもオープンソースの会社でその商用版もある。MySQLはバーチャルカンパニーとして運営されており、それってクラウドとも言える。
クラウドの人々はクラウドの下にはデータセンターがあることを忘れがちだが、彼は良く理解している。

原文ここ

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