2009年6月24日水曜日

smart grid の現状(サイロ化)

現在のスマート・グリッドのハイプは、電力会社が家庭のメーターを自動的に読むというものです。このため、家庭内の電力消費を計測して、それをメッシュ・ネットワークでまとめて表示するというスタートアップが雨後の竹の子(表現が古い)の様に立ち上がっています。そして、ベンチャー・キャピタルもこのハイプに乗っています。なにせ、皆住まいで、電気代を払っているし、電気メーターにもなじみがありますからね。しかし、この技術は比較的簡単だし、メッシュも802.15.4(Zigbeeコンパチ)に少し手を入れれば出来ますし、それをダッシュボードで表示するのはそれほど難しいものではありません。

そのため、スマート・グリッドのほかの部分には全くといって良いほど、話題がありません。このあたりの電力・ガス会社であるPacific Gas and Electricは2011年までにメーターをスマートメーターに交換していくことになります。しかし、電力の消費は家庭だけでなく、コマーシャル(ビジネスの建物)、インダストリアル(空港、工場、データセンターなど)での電力消費も当然問題になります。データセンターも最近になって消費電力を全体でなく、もっと細かく計測する方向になっています。他の建物では建物管理システムなどがありますが、まだスマート・グリッドにどう接続してどの様に処理するかとの詳細は全く決まっていません。

サイロ化というのは、それぞれの領域が全体として見られることなく、それぞれとして対応されていることです。全部の電力消費を考慮しなければなりません。スマート・グリッドはまだかなり構想の段階で、実装にはまだまだ時間がかかりそうです。20年とかそういうレベルです。

原文ここ

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