2009年9月1日火曜日

後1ヶ月半、シリコンバレー リーダーシップ データセンターエネルギー効率化のコンファレンス

シリコンバレー・リーダーシップ・グループ (SVLG) はシリコンバレーのNPOでシリコンバレー (SV) にある300社程度が参加しています。SVLGはSVの郡市町村、カリフォルニア州、連邦政府、教育機関、研究機関、産業界とSVの生活の改善・向上のため経済、教育、安全・セキュリティ、交通、エネルギーなどの広い分野で協力、議論し、色々なプロジェクトを遂行しています。

データセンターでのエネルギー危機

2006年に米国議会が全米でのデータセンターの電力消費が米国での総電力消費に占める割合を憂慮して、日本の環境省にあたるEPA (Environmental Protection Agency) にこの問題を調査して報告するように命令しました。これを受け、EPAはローレンス・バークレー国立研究所の助力を受け2007年にその調査結果を発表しました。それによりますと、2000年から2006年には全米のデータセンターの電力消費量は2倍になり、2006年では全米消費量の1.5%となりました。このままの事態が続けば2011年には再び2倍になるという結論をだしました。その電力消費量をサポートするには、新たに10箇所に発電所を設立する必要があります。この調査結果がエコ・グリーン データセンターという動きが活発化してきました。

SVLGの実証実験

EPAの調査結果は実証ではなく、実存するデータや統計学的処理によるもので、少し説得力に欠けるところがあり、そのため2007年から2008年に渡りSVLGが中心となりEPAの調査レポートの結論を種々の観点から実証実験を行いました。結果は昨年の6月に発表されました。実験は17のプロジェクトに渡り

· 電力 (電力の割り振りと効率の良い配電の手法)
· 仮想化 (仮想化によるデータセンターの統合)
· 冷却 (hot/cold aisle、hot aisle 封じこめ、cold aisle 封じ込め、air economizer、空冷。水冷ベンダーを集めて冷却効率の比較)
· 無線センサーによるモニター(無線モニターで温度や湿度を計測して、運営に反映させる)
· その他の先端技術や運営方法

が実証されました。多くの場合はデータセンターの運営会社と技術を提供する会社が共同で予め決められたデータセンターのエネルギー効率化のための実験を行います。実験の終了後SVLGの検証グループが結果を審査します。これは、実施社が都合の良い結果を出して自社のPRなど不当な行為を行わないためです。

昨年の参加社の一部は以下のとおり:
· Oracle
· Sun
· Accenture
· Lawrence Berkeley National Labs
· Department of Energy
· NetApps
· Symantec
· Yahoo
· APC
· Liebert
· PG&E
· California Energy Commission
· その他

今年は第二回として実証実験は6月初旬より開始されています。今回は更に多くの参加社を得て、積極的に仮想化率を上げたサーバー設置、新たなストレッジ技術、外気を利用した冷却、種々の冷却方式の比較、コンテナ型データセンターなどの先端技術を網羅して行います。

データセンターのエネルギー効率を上昇させることで、エネルギー消費を抑えます。米国ではグリーンデータセンターのグリーンは「エコ」というよりも「緑のお金」(昔米国ドルは緑だったのでこういう表現となります。) 「エコ」は電力効率化による消費削減からというのが本音でしょうか。しかし、ここに来て「温室ガス抑制とトレード」法案が通り、温室ガス抑制も大きなテーマとなってきており、このトピックもクラウド・コンピューティングと共にパネルディスカッションの場で論議されます。

結果発表

結果発表会は今年の秋シリコンバレーで開催されます。昨年はSunの美しいキャンパスで開かれました。この発表会への参加は実証実験に参加していなくても可能です。今年はシリコンバレーのNetapp社のキャンパスで10月15日に開催されます。

最後にこのSVLGのプロジェクトは殆ど全員がボランティアとして参加しています。

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